設計士ブログ

2025.01.23 #馬場紀子

ミニマリスト

馬場紀子

こんにちは、インテリアコーディネーターの馬場です。大阪ではこのところ少し暖かい日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

「ミニマリスト」という言葉が生まれてから、しばらく経ちました。流行語大賞にも選ばれ、関連書籍も多く出版されていますが、実際にミニマリストの方にお会いしたことはありませんでした。しかし先日、初めてお会いする機会があり、その生活スタイルに驚きと感心を覚えました。

その方の部屋の写真を拝見すると、確かに家具は必要最低限のみ。例えば、バスタオルは使わずフェイスタオルを家族人数分×2日分だけ持ち、毎日洗濯するという徹底ぶりでした。「物の管理を簡単にしたい」「時間やお金を必要以上にかけたくない」という考えから、極力持ち物を減らしているそうです。

インテリアコーディネートの打ち合わせでは、「収納」に関するお悩みがよく話題に上がります。物の配置や使い方、収納場所の選び方は、動線や日常生活に大きく影響するため、多くの方が頭を悩ませるポイントです。物が少ないと管理や掃除が楽になり、その分時間も生まれるのでメリットは多いのですが、「頭では分かっていても実行が難しい」という声もよく耳にします。

新居の建築やリフォームの際、「不要なものは捨てる!」と決意されるお客様もいれば、「愛着があるものまで捨てたくない」という方もいらっしゃいます。愛着があるものを手放すのは、たしかに簡単なことではありません。そのお気持ちもよく理解できます。

そこで大切なのは、自分が「何に重きを置くか」を考えることです。物が多すぎて生活に支障をきたしたり、管理に過剰な時間やお金がかかったりするのは、本末転倒です。一方で、物が少なすぎて居心地が悪くなるのもストレスにつながるかもしれません。

「どんな暮らしをしたいのか」「どんな物を手元に置きたいのか」。これを明確にすることで、本当に必要なものが見えてきます。家の建築やリフォーム、引っ越し、新年度のスタートといった節目は、自分の暮らしを見直す良いチャンスです。

ミニマリストは一つのライフスタイルですが、誰にでも当てはまるものではありません。大切なのは、自分にとって心地よい暮らしを見つけること。その第一歩として、小さなことから始めてみるのはいかがでしょうか?