設計士ブログ

2025.07.26 #佐藤保宏

「建築家の服って、なんで黒?」

佐藤保宏

こんにちは。
突然ですが、建築設計士の皆さんって、服の色にちょっと偏りがあると思いませんか?今日は「建築業界の不思議」の中の一つをご紹介します。

たとえば、皆さんご存じの世界的な建築家・安藤忠雄さん。
あの方の写真、パッと思い浮かべてみてください。…たいてい黒ずくめなイメージを思い浮かべませんか?よく見ていくと、他の建築家の方々のプロフィール写真も、黒やグレーの服装がやけに多いんです。

こんな感じ

(これ、私じゃありませんww。誰?)

「そー言えば確かに…」「なんでなん?」と思った方、実はこれ、ちゃんとルーツがあるんです。

少し昔の話になりますが、図面を描く作業はすべて鉛筆やシャープペンで行っていました。
修正があれば、消しゴムで地道に消して描き直し。ドラフター(製図台)とにらめっこしながらの毎日でした。

このときの天敵が何かというと……消しゴムのカスと鉛筆の粉。

袖に粉がつけば、シャツは汚れるし、図面にも黒いススが落ちてしまう。
だから自然と、「汚れが目立たない服」=黒い服が主流になっていったわけです。
まさに現場由来の実用的ファッションだったんですね。

白いシャツの人は「袖カバー」「腕抜き」などと言われていたヨゴレ防止の布を腕にはめて図面を書いていました。また忙しくてファッションを考える時間がないから、時代に左右されないとかいろいろあるみたいですけど、私も「今日は汚れそうだな」とか思うと黒を選んでしまいます。

そして今。
図面はすっかりデジタル化し、鉛筆の粉も消しゴムのカスも少ない時代になりました。
それでも、なぜか建築士は黒い服を着がち。
それはたぶん、**仕事に向き合う「気持ちの制服」???**なのかもしれません。

というわけで、私のプロフィール写真も、黒い服にしようかなと検討中。

もしどこかで黒づくめの建築士を見かけたら、
「この人、鉛筆の時代からの精神を受け継いでるんやな〜」と
ちょっと優しい目で見ていただけたら嬉しいです。

モノクロが多いのは何でだろう~?

設計 佐藤