設計士ブログ

2025.08.02 #佐藤保宏

低くて落ち着く、高くて気持ちいい。勾配天井活用法

佐藤保宏

「この部屋、なんか広く感じるなあ」
そんなふうに言われたら、設計士としては心の中で小さくガッツポーズ。
その理由のひとつが、勾配天井かもしれません。

 

屋根の傾きにあわせて天井を斜めに仕上げる勾配天井は、空間に開放感とリズムを与えてくれます。
リビングの一角を高くすれば、光が差し込み、自然と家族が集まる場所に。
ロフトをつけたり、梁を見せたり、ちょっと特別な空間演出にもぴったりです。

 

さらに、照明計画にも変化をつけやすいのが魅力。
天井の高い部分にはペンダント照明で空間にアクセントを、壁際にはブラケット照明を使ってやわらかな陰影を演出したり。
高さのある勾配天井だからこそ、光のあそび方にも余裕が生まれます。

 

一方で、寝室や書斎など落ち着きたい空間には、あえて天井を低めに設定し、素材や色でアクセントを入れるのもおすすめ。
包まれるような安心感が得られ、気持ちも自然と落ち着きます。階段下に作られるヌックもその一つ。

 

天井の「高さ」ひとつで、家の雰囲気は大きく変わります。
勾配天井をうまく使えば、「ただの屋根の下」が、家族にとっていちばん好きな場所になるかもしれませんよ。